小千谷地域と近隣のまち・むらを結ぶホームページ



明治・大正・昭和
くらしの移り変わり

雪国のくらし(1)

雪国のくらし(2)

雪国のくらし(3)

雪国のくらし(4)

写真で見る雪国のくらし(3)−

塞の神
 雪国における伝統行事の一つであり、古くから小正月の一月十五日に行なわれて来た。今年度(平成12年)から十五日祝日を変更、毎年第2週目の月曜を祝日とし、三連休とするハッピーマンデイ法案の実施や近年の社会現象の変化により伝統行事も様々に変化を遂げる状況にある。
 雪国の冬の行事としては最も広範囲の各集落で行なわれて来ており、「サイ」を賽の神・才の神・歳の神、塞の神等と様々な文字で思いおもいに表記する。歳の初めに厄除けと五穀豊穣を祈願するため。他集落から入ってくる病気や災いを防ぐ為に集落の地境に祀られた道祖神祭に始まるなどと諸説ある。村(集)落維持のため共同生活の諸々の災い除けと結束を目的とし、育まれてきたものと考えられる。


地域によっては「おんべ」を上げた。 「おんべ」は紙で作ったもので、長い棒の先端に取り付け堂が燃える上に掲げる。高く上がる程その年の運が良いと言われ、それを拾った人は縁起物として外玄関にぶら下げておいた。


残り火で餅やスルメ等を焼いて無病息災を祈り食べる。

堂の先端の飾り
先端には何もつけない所もあるが、かつて二十村(郷)の木沢では牛の角に見立てられたものがつけられていた。


塞の神の堂を作る。

堂にかぶせるトバ作り。

堂の先には鳥の形をして作ったしめ縄を飾る。

 写真に見える藁で囲われた円錐形の堂は、高さ五十センチほどの土俵のような円形のものを雪で作った土台の上に建てたものである。この藁で囲われた円錐形の中身は、中心となる直径二十センチくらいの生木で丸木のままの柱を立て、よく燃えるようにボイ・ボヨ=薪等を入れ、そして、無病息災と男も女も器量よしになるための煙をいっぱい出すように生杉の葉、秋に五穀が良く実ってはじけることを祈願するポーンという威勢と響きの良い音が出てように生竹を入れて点火する。なお、生杉、生松の葉なども「パチパチ」という音を出し、雰囲気を盛り上げている。



真人町若栃の塞の神

昔は塞の神には餅つきはしなかったが、家庭で餅つきをするところがなくなったことからイベントとして行われるようになった。